中国において、2024年8月6日付の特許庁通知により、特許期間補償にかかる費用を含む、費用関連情報が公表されました。
本通知に記載の要点は下記のとおりです。

1. 特許期間補償の要件・費用について

2021 年施行の改正専利法および、2024 年施行の改正実施細則・審査指南により、特許期間の補償を受けることができるようになりましたが、今回の通知により、特許期間補償の要件および費用が明確になりました。

• 要件：
  特許期間の補償を受けるには、まずは登録査定通知後に特許期間補償を請求し、審査に合格しておくことが条件になります。審査の結果、中国国家知識産権局が特許権存続期間の補償を与える旨を決定した場合、特許権者は20年の特許権存続期間の満了までに、特許権補償期間の年金を一度で全額支払わなければなりません。特許権者が特許期間の補償は不要と判断した場合、当該年金の納付は必要ありません。

• 料金：
  特許期間補償の請求費用は1件あたり200人民元です。
  審査の結果、中国国家知識産権局が特許権存続期間の補償を与える旨を決定した場合、1 件あたり年間 8000 人民元の年金を納付する必要があります。8000人民元/年×補償期間（年単位）の計算式で年金を計算し、特許権補償期間の年金を支払わなければなりません。なお、1年未満の補償期間については年金の納付は不要となります。

2. 開放特許制度利用時の減免額について

2021 年施行の改正専利法に開放特許制度が新設され、その運用要領が2024 年施行の実施細則・審査指南により明確になりましたが、今回の通知により、専利開放許諾実施期間の年金が15％減免されることが公表されました。

3. その他の費用関連情報について

上記の内容に加え、今回の通知により公表された主な費用関連情報は下記のとおりです。

• 国際出願の中国移行に関する費用減免について
  移行日が 2024 年 7 月 26 日以降の、中国国家知識産権局を受理官庁とし、国際調査が行われた国際出願は、中国国内段階に移行する場合、出願手数料及び出願追加料金が免除されます。
  また、移行日が 2024 年 7 月 26 日以降の、中国国家知識産権局によって国際調査報告書又は特許性に関する国際予備報告書が作成された国際出願は、中国国内段階に移行して実体審査を請求する場合、実体審査手数料が免除されます。

• 権利移転を伴わない書誌事項の一括変更申請により、出願人（又は特許権者）の氏名を変更する場合には、1 件分の変更として書誌事項変更手数料を支払えばよいということになりました。

詳細については、中国特許庁のページにある、「国家知識産権局による一部の特許費用基準及び減額政策の調整に関する公告（第594号）」及び、「特許権存続期間補償の費用支払いなどに関する通知」をご確認ください。